第18話 キザキザハートの子守り歌
「隣人203号です」
「はぁぁぁ~???」
真人の部屋は202号室です。
「………」
どうしたものかと考えあぐねいた真人は、携帯電話を取り出した。
「ちょ、ちょまっ…!!」
真人はその声を聞き入れず、ダイヤルを押した。
「すいません、変な人が居て。いや、住居侵入ってヤツですかね、困ってるんですよ」
「ちょっと待ってよ~っ!!オレ、優しいただの隣人だってっっ~!!!」
さっきまでとは打って変わって取り乱した自称隣人さん(203号)は、真人からケイタイを奪取した。
「違うんですっ!!ワタクシ、決して怪しいものではなくて税金も欠かさず納める善良一般人でしてーーー!!」
「ただいま 8時 59分 をお知らせします」
プ プ プ プ~~~
機械的なお姉さんの声と共に、電子音が鳴り響いた。
「悩める子羊よ、貴殿は何をお望みなのか?」
さっきの醜態はなかったことになっている。隣人203号は、胸の前で十字を切って祈りのポーズ。
「あなた、何時からそこに居たんですか?」
もうあまり突っ込まないことにした真人。小心者だが、悪い人ではなさそうだ。
「問いを問いで返すというのかね?それでは導きの火は灯らぬよ、子羊よ」
ところどころ、しゃべり方がおかしい。
「私の望むものはお金です。ところで、何時から居たんですか?」
「汚れた財は、その身から捨てるのです。そして、その身だけで神のお声を聞きなさい」
「あなたは何時から居たんですか?」
「………」
一瞬、静寂が支配した。
「呼びますよ?」
ケイタイを手にする真人。
「小一時間ほど前です」
即答の隣人203号。どうやら、権力には弱いらしい。
そんなかんなで、この二人のくだりはまだまだ続きます。3話くらいこれかなぁ~。
to be continued
