第16話 チリも積もれば山となる(仮)
カチカチカチ
時計の針が時を刻む音。
カチカチカチ
真人が落ち着きなく、ボールペンを押す音。
カチカチカチ
カチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチ
カチカチカチカチカチカチカチカチカチ
「だぁぁぁぁぁーーーーっっっもうっっっっっっっっ!!!!!」
真人は勢いよく、自らの部屋を後にした。
ところ変わって、ここは新宿一丁目。
「いいわよ」
エリハはチンピラ三人に、きっぱりと言い放った。って、いいの!?
勢いよく飛び出したものの、真人は途方に暮れていた。
「東京って、広いもんなぁ…」
こんなだだっ広いコンクリートジャングルで女の子一人見つけるなんてのは、1000本の針に糸を通すことよりも難しい。そして、イライラする。
「アイツが行きそうなところ、行きそうなところ…」
考えあぐねいた真人は、
「よし、銀座だ!」
当たりは空しくハズレた。
ここは銀座。
(どこだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)
真人は吼えた。心の中で。
「はぁ、どうしてここはヴィトンだらけなんだ…」
真人の横をすり抜ける貴婦人(真人にはそう見える)たちは皆、アナグラムの高級品を提げている。ブランドに疎い真人には、ヴィトンを識別するのが精一杯だった。
真人はいたたまれない気分になった。空気すらもVIP仕様。
「帰ろう、かな…」
輝きを放つ街並みに、真人はすごすごと足取りを駅へと向けていた。
家路へと向かう真人と、チンピラ達に身を預けるようにして消えていったエリハ。二人はどうなるのだろうか。
to be continued
